そしてまた、キミに。




結局清水君は20分くらい距離のある家まで
一緒に歩いて送ってくれた。




「今日は…色々迷惑掛けちゃって
…本当にごめんなさい」


「迷惑ちゃうよ。
それと謝るのは無しなっ」


「…ありがとう」


「ん。

じゃあ、また明日な」





遠くなる背中に、
もう一度「ありがと…」と呟いた。






家に入れてくれて

温めてくれて

制服まで乾かしてくれて


壊れかけてたアタシを救い出してくれた。




それでも清水君は、
最後までアタシに何も聞かなかった。




怖いくらいに優しくて温かい人…




< 84 / 417 >

この作品をシェア

pagetop