そしてまた、キミに。
「松田さんと坂口さんって
いつから友達なん?」
深く聞かれたくなかったのか、
清水君は話題を変えた。
「優とは幼稚園からずっと一緒なの。
友達っていうか家族みたいな感じかな」
「へー、いいな。
確かにそんな感じに見えるわ。
全然気ぃ使ってなくて、
隣におるのが自然っていうか」
今でもそんな風に見えてるんだ。
「坂口さん、
松田さんとおると表情違うねん。
いつもは"無"って感じやけど、
なんか柔らかい」
「本当?
もうずっと一緒だからね。
嬉しいときも楽しいときも
…辛いときも」
いつも一緒だった。
だから優のことは
何でも分かってると思ってた。
でも、
「最近、
わからなくなるときがあるけどね…」
あの日から少しだけ
距離を感じるようになった。