神様町一丁目一番地【短編】
朝、目が覚めると
二段ベッドの中だった。



「夢?」



どうやら僕は夢を見ていたんだね。
だけどーーー
本当にカブがすぐ近くにいるみたいな
夢だったな。




そんなことを考えながら、
ぼんやりとしていると
ママが部屋に入ってきた。




「あら、しょうちゃん
もう、起きてたのね。偉い偉い。んん?
しょうちゃんっ!
何これ、一体、どうしたのよっ?」




二段ベッドの上にいる僕を
覗き込んだママは突然、
大きな声を出した。




何故かって?





それは、僕が土の付いた
赤いスコップを握りしめたまま、
寝ていたからだよ。








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