神様町一丁目一番地【短編】
「神様町(かみさままち)?
それって何処にあるの?」




「はい、それはそれは
天高くにあるんですよ。
そこには色んな神様達が
いらっしゃいます。
中には新しく足を作ってくださる
神様もいると聞きました。」




「そうなの?
じゃあ、カブの足、作って貰える?」




「はい、作って貰えると思います。」




「そっかぁ。良かったな、カブ。」




僕は心から喜んだ。
カブはとても強いカブトムシだった。
足が一本足りなくても、
よく、餌の台をひっくり返したりして、
僕もあっくんもいつだって
驚いていた。
だけど、時々、
餌を食べにくそうにしているのを
見ると、足が揃っていればなぁって
思っていたんだ。




「しょうちゃん達のお陰ですよ。」




「ん?僕たちのお陰って?」




「はい。僕はしょうちゃん達に
会うまで、何事も諦めていました。
どうせ、僕は足が一本足りないからって。
だから、仲間と勝負もしないよう、
群れから外れてこそこそと
生きていました。
そんなとき、しょうちゃんとあっくんが
僕を見つけてくれたんです。」





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