神様町一丁目一番地【短編】
カブは嬉しそうに言った。




「最初は不安でしたが、
しょうちゃん達にお世話をして
貰ってるうちにしょうちゃん達に
喜んで欲しくなってきたんです。
何か僕でも出来ることを……、
それである時、
たまたまツノが引っ掛かって
餌の台がひっくり返った時、
しょうちゃん達がとても喜んでくれたんです。
カブは力持ちだなぁって。
それからの僕はもっと、もっと
喜んで貰おうと一生懸命、
餌も食べて、力をつけました。
1日、1日をとても
一生懸命過ごしました。
だから、ご褒美を貰えたんです。」




「そうなんだね。
ああ、そっか、だから
カブはいつだって餌の台を
ひっくり返していたんだね。
そっかぁ。なぁんだ。
そうだったのかぁ。」



僕は毎朝、起きてカブに
ゼリーを入れてあげる度に
どうして餌の台がひっくり返って
いるのか不思議だった。
餌が気に入らないのかとも思った。
だけど今、その不思議が漸く、分かった。















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