神様町一丁目一番地【短編】
「そろそろです。」



カブが見上げた先を見ると
空のずっとずっと高いところから
光の絨毯が伸びて来ていた。




「これに乗るの?」




「はい、そうです。
これに乗ればあっという間に
神様町に行くことが出来ます。」




「僕はーーー
行っちゃダメなんだよね?」




「はい、もちろんダメです。
しょうちゃんもまずは
一生懸命生きてください。
そして、いつか、いつかの
遠い先にーーーー
また僕を見つけてください。
その日が来るまで
僕は一足お先に、神様町に
お引っ越しです。」




そう言うと、
カブは羽をパタパタとさせて、
光の絨毯に乗った。
そして、ふわふわと天高く
登って行ったんだ。




僕はその様子をじっと
見ていた。
暫くすると、空から




「一緒に入れて下さった
ゼリーとおがくず、
持っていきますね。
ありがとう、しょうちゃん。」




って、声が届いた。
そしてカブは
僕の目の前から消えたんだ。




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