復讐

激しい痛み

「迷子になってしまったの」
「どこの村から来たの?」
「山東村よ」
「それだったら僕が送って行ってあげるよ」
「え、本当に!?やったー」

僕たちは彼に誘導され輿に乗った。輿に乗るなんて初めてだった。
金ピカの装飾が施され、外からは中が見えないけどこんな貧相な子供が乗ってるとは誰も思わない。

「僕の名前は金彗君、宜しくね」
僕は彼に嫉妬した。
何もかも持ってる彼に…。また彼は玉蘭に好意を抱いたらしい。


数日経ったある日、玉蘭が僕の家を訪れた。
「ねぇ、彗君から遊ぼうって誘われたんだけど青星も行こうよー」
「僕はいいから二人で遊べば良いじゃん。」
嫉妬剥き出しだった。
それに気づいたのか玉蘭は突然僕にキスをした。

「!!」
「青星と一緒だったら楽しいのに…」
「ごめん、今日は本当に用事があるんだ。また誘って」
「うん、分かった。また今度ね♪」
そう笑顔で彼女は応えると去っていった。


だけど、また今度が訪れることはなかった。
あの時見た彼女の後姿が僕にとっては彼女との最後の思い出となった。



この日、僕は去勢し男じゃなくなったのだ。
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