復讐
彼女もこちらに気づき、近づいてきた。
「久しぶり!!青星じゃない!覚えてる?私よ、玉蘭。」
「すいません、人違いです。」
思わず否定をしてしまった。
「え?違うの?まさか・・・そうよね、宦官になってるはずないわよね・・・。」

かつての愛した男が宦官になっていたらショックだろう。
私は本当のことを言うのが怖かった。


その夜、皇帝に招かれ玉蘭が皇帝の部屋を訪れた。
まもなくして、その部屋からあえぎ声が聞こえた。

皇帝と玉蘭が絡み合っているようだった。

私は部屋の外で腰を少し屈めた姿勢のまま
玉蘭のあえぎの声を聞いていた。

それは初めて聞く彼女の色っぽくも甘く切ない声だった。
その声に男でなくなった私が反応することはなかった。

しかし、かつて愛した女が別の男の人と・・・しかも
私の嫌いな男と絡み合っていることが・・・

辛く・・・悔しかった。

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