復讐
---数日後

「戦!?どうゆうこと!?それ」
私が、勢いよくテーブルを叩いたせいで上に乗っていた湯のみが落ちて割れた。

「そう私利私欲のために横暴を振るう皇帝がね。自ら戦を仕掛けるそうよ。」
そう言って母は割れた湯飲みの破片を拾い集めた。

「皇帝自ら!?どうゆうこと?領地でも拡大したいの?この村を!?
貧しくて飢えてる人ばかりよ。そんなとこ手に入れても得なんてしないわ!」
私も手伝おうとして手を伸ばしたら母に制された。

「我慢の限界になった民が謀反を犯したの。それで、皇帝の怒りに触れ、じきじきに・・・。」
「・・・・・・」

私は言葉を失った。貧困生活が続くこの村は、他からも宮廷からさえも見放されたと思っていた。
しかし、先日急な重税を強いられ民の怒りや限界は頂点に達した。
何もしない皇帝がどうして、このような仕打ちを・・・・。

「それでね、俊柵も皇帝率いる兵と戦うために今借り出されて。」
「え!?なんですって!?」
私は思わず破片が散らばった床を叩き、手のひらからは血がにじみ出た。
「あんたって子は、本当に粗忽者なんだから!」と言って慌てて母は私の手を掴んだ。

痛みと同時に溢れ出す血。ぽたぽたと滴り落ち床に落ちる。
「そんなの駄目!俊柵は科挙の試験前なのに!」
「謀反を働いた町の民が科挙なんて受けられるわけないでしょ。彼は民を第一に思い、
戦の準備をしてるのよ。」

「そんな・・・。」
母が白い布を私の手のひらに巻きつける。
そんな動作を見ながら私は俊柵のことが心配で気が気じゃなかった。
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