復讐
村人の男性人は子供を除き、皆戦に向かった。女、子供たちは遠くへと避難しに山を登った。

遠くから戦いの雄たけびが聞こえる。私の不安は募るばかりだけど祈るしかない。
でも、やっぱり耐えられない。
「ごめん、お母さん!やっぱ私、様子見てくる!」
「馬鹿!何言ってるの!!そんな危険なこと」
「大丈夫!すぐ戻るから!」

私は、裏山を駆け下りると一目散に戦が行われてる場所に向かった。
でも、胸騒ぎがした。あまりにも静まり返った空気が、戦の終わりを告げ
無残な現実を物語っていた。

「皇帝陛下の勝利です!!皆殺しにしました!!」
兵の一人が大声を出す。何を言ってるの、この人は。皆殺しって・・・・。
鬱蒼とした木の陰から辺りを見回すと大勢の村人たちが血だらけで倒れていた。

俊柵は、どこ?私は目を凝らし彼を探す。

すると信じられない光景が目に飛び込んだ。
「威勢の良い男が一人いて、俺の怒りが爆発したからな。そいつの首を持って帰ろうと
思うんだが、おいやったか。」
馬に乗った偉そうな男が兵に尋ねると、その兵は「はい」と言って首を持ち上げた。

!!!!!!

「に、しても聡明で端正な顔立ちの男だな。更に腹が煮え繰り返るわ」
皇帝は、俊柵の首を忌々しそうに見るとつばを吐き飛ばした。



私の体は震えていた。

俊・・・・柵・・・・・・


『必ず、生きて帰るから。約束』


俊柵!!!!



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