顔をあげて
ひるんだ男から理沙はのがれたが、私はもう一人の男から後ろから捕まり引きずりたおされた。

『やばいっ』

と思った時にはもう遅くマイクで顔を殴られた。

「礼羅ー!」
と理沙が泣き叫ぶ。
口の中で鉄の味がした。
『なんて弱いんだろ…』
自分の無力さと痛みで気が遠くなりそうだった。


「礼羅!!
…っ!?お前ら何やってんだコラー!」

えっ?この声は一樹?どうして?

一樹は怒りにみちた鬼のような顔をして男2人をぼこぼこに殴っている。

「一樹って…意外と強いんだ…」

とこんな時に変なことを考えてしまう私。

いけないっと思い急いで立ち上がり一樹をとめた。

「これ以上したら死んじゃうよ。」

私は静かに一樹の腕にしがみついた。
一樹はわれにかえったかのように息をきらしそのばにしゃがみこんだ。

「ありがとう」

私のつぶやく声が聞こえていたかわからないけど私は急いで理沙にかけより抱きしめた。
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