顔をあげて
「礼羅さんって彼氏いるの?」


「うん。」
と私の返事と一緒に理沙が、

「君たち残念だね~礼羅の彼氏超かっこいいんだよ~♪」

「ちょっ理沙!?」

「ふ~ん、誰?」

「知らないと思うよ。」

と私が呟く横で理沙が、
「近くの男子高の栗原一樹だよ。」


「…一樹?」

男子たちが耳打ちでこそこそ話だした。私はなんだかモヤモヤし、1人の男子の前に顔を近づけ、

「なんか文句ある?」
と聞くと男子は顔を背けた。
すると横の男子が、
「あいつはやめとけ。俺も噂しか聞いてないけど、あいつなんども警察沙汰にもなってるし、…女癖も悪いみたいだし。」

男子たちは一樹の事をいろいろいいだした。
私が否定しようと声を出す前に理沙が、
「みなさ~ん、そんなでまゆっても礼羅は別れませんよ~♪」

「でまじゃねぇよ。俺は礼羅さんが心配で…あいつに騙されてるよ。」

私は深呼吸し、

「ありがとう心配してくれて。でも礼羅は一樹を信じてるから。」

私は真っ直ぐ目をみて答えた。

この言葉に嘘はない。

…だけどね、不安だよ一樹。
あなたの過去を私は何もしらない。過去は過去かもしれないけど、あなたの過去もすべてを知りたいと思うのは私の欲かな。
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