顔をあげて
緊張しながら二人並んで歩く。

一樹の家は少し古びたアパートだった。
部屋に上がると、いかにも男の1人暮らしという感じだった。

「俺1人暮らしなんだ。」

「えっ!?親は?」
「俺が中学の時俺をおいてでていったんだ。」

私はなにも言葉がでなかった。

「びっくりしただろ?(笑)生活も学校も自分で払ってるからバイト三昧の日々なんだ。ごめんな…なかなか会えなくて。」


私は首を思いっきり横にふった。
「礼羅こそごめん。一樹の事なにもしらなくて、ムリにおしかけたみたいで。」
「俺が呼んだんだからいいんだよ。そこ座って。俺に話しがあるんだろ?」


「うん」と私は腰を下ろした。
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