顔をあげて
「どうしたの礼羅?ご機嫌ななめ?」

と美味しそうな料理を目の前に一樹が困った顔で聞いてくる。

思わず困った顔の一樹も可愛いなと胸がキュンとなる。

「別に。」
といいながら素直じゃない自分に涙がでそうになったがおかずを口に入れごまかそうとした。

『おいしい…』

私の目から我慢してた涙がポロポロ。

「どうした!?礼羅!?まずかった!?」

「違う…すごくおいしい。一樹はなんでもできちゃうんだね。
礼羅なにもできないんだ。料理も。なんのとりえも魅力もない。素直じゃないし。…頭悪いし、口悪い…」
と私が顔をさげたら、


「おまけに泣き虫。」
と一樹が私の顔をあげた。

ぼろぼろの顔の私をみて一樹は、

「けどそんな礼羅が好きなんだ。」

一樹のその真っ直ぐな瞳に思わず吸い込まれそうになる。

「はじめて会った時礼羅の目が俺の昔の目ににてたんだ。どうしてもほっとけなくて、気づいたら礼羅に夢中になってた。」
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