顔をあげて
お風呂上がりは必ず一樹が私の頭を乾かしてくれる。

「礼羅の髪すごく綺麗だよ。」





寝る前は必ず私が先にベッドに入ってる。寝たふりなんかして一樹の様子うかがって。


一樹は寝たふりの私に気づいてるかな?
寝てる私に何度もキスして私はわざと寝ぼけたふりして、今起きたかのように一樹にキスに答える。

一樹は覚えてるお互いの初体験?
うまく重なりあえず避妊も忘れて無我夢中。
でも私に触れる手は凄く優しくて暖かくてお互いの必死な吐息だけが部屋に響いて。

今あの日と違うのは必ず「愛してる」となんどもなんども愛を確かめあうかのようにお互いにささやきあう。


あの日は声をかける余裕もなかったよね。
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