兄弟的同性愛事情
ギシッ…とベットが2人分の体重を受けて鈍く鳴る。
兄ちゃんの臭いがするベット。
上には兄ちゃんがのっている。
「に、兄ちゃん…?」
抵抗する余裕もなくて、こうなったけど…
怖い。
暗闇にまだ慣れてない目には、兄ちゃんの姿がはっきり見えない。
怖い。怖い。
『運命の人とする恋は、貴方のことを幸せにしてくれるわ。いつか李桜にも、素敵な女性が現れてくれると私は安心だわ』
昔、シスターに言われた言葉を思い出した。
なんでこの言葉なのか、なんで今思い出すのかわからない。
目を開けると、暗闇にすっかり慣れた俺の目に兄ちゃんが写った。
「ねぇ、兄ちゃ……んぅ」
もう一度声をかけると、キスで唇を塞がれてしまった。
荒々しく、ただ唇を擦り付けるようなキス。
こんなキス、唇が痛いだけだよ…。
「ぃやだっ!!んんっ…ゃ…」
鎖骨の上を唇が触れて、舌が胸まで身体を舐めていく。
「んっ…いやだってば…!!」
どんなに抵抗しても、兄ちゃんは聞いてくれない。
「っー!!!!!痛いッ…!ぃ、つぅ……」
…ねぇ、兄ちゃん
俺の声きいて?
好きだよ、兄ちゃん。
大好きだ。
嘘なんかじゃないよ?
俺は兄ちゃんの心も全部受け入れて愛し合いたい。
…でも、
兄ちゃんは、俺の身体しかいらないの?
身体を引き裂くような痛みの中で、
「ごめん…李桜……」
泣いてる兄ちゃんが見えた気がした。