兄弟的同性愛事情



「何日?」


「…は?」


「もう何日まともに飯食ってないの?」


いきなり何日って聞かれたから、日付でも聞かれたのかと思った。


「…覚えてない」


日が経っていく感覚さえ無くしてしまったかのようだったから。


それくらい俺にとって、ここ数日の日々はあまりにも空白すぎた。


もうボロボロなんだ。


心も、体も。


そんなに強くいられるほど、俺はまだ大人ではない。


兄ちゃん以外のこと考える余裕なんて、まだどこにもないんだ。


「ひっく…ぅ…」


押し潰されそうだ。


不安で、怖くて。


目の前が真っ暗だ。


笑って「しょーがない奴だな」って、頭を撫でてくれるだけでいいのに。


側にいてくれるだけでいいのに。


俺が望んでることは、そんなにも贅沢なことなんだろうか。


「李桜…」


もういっそ、アイツと付き合っててもいい。


そんなのどーだっていいから


傍にいてよ…


「…にぃちゃんっ…」


しゃくり泣く俺を、秀兄ちゃんが強く抱き締めた。



「李桜、…俺にしとく?」




唐突に言われた言葉は、俺の耳に上手く届かなかった。


「ぇ?なに…?」


もつ一度俺を強く抱き締めて、秀兄ちゃんがゆっくりと、はっきり言った。



「俺と付き合おう?李桜」




< 112 / 126 >

この作品をシェア

pagetop