兄弟的同性愛事情
「何日?」
「…は?」
「もう何日まともに飯食ってないの?」
いきなり何日って聞かれたから、日付でも聞かれたのかと思った。
「…覚えてない」
日が経っていく感覚さえ無くしてしまったかのようだったから。
それくらい俺にとって、ここ数日の日々はあまりにも空白すぎた。
もうボロボロなんだ。
心も、体も。
そんなに強くいられるほど、俺はまだ大人ではない。
兄ちゃん以外のこと考える余裕なんて、まだどこにもないんだ。
「ひっく…ぅ…」
押し潰されそうだ。
不安で、怖くて。
目の前が真っ暗だ。
笑って「しょーがない奴だな」って、頭を撫でてくれるだけでいいのに。
側にいてくれるだけでいいのに。
俺が望んでることは、そんなにも贅沢なことなんだろうか。
「李桜…」
もういっそ、アイツと付き合っててもいい。
そんなのどーだっていいから
傍にいてよ…
「…にぃちゃんっ…」
しゃくり泣く俺を、秀兄ちゃんが強く抱き締めた。
「李桜、…俺にしとく?」
唐突に言われた言葉は、俺の耳に上手く届かなかった。
「ぇ?なに…?」
もつ一度俺を強く抱き締めて、秀兄ちゃんがゆっくりと、はっきり言った。
「俺と付き合おう?李桜」