兄弟的同性愛事情
「なに言ってるの?ごめん、聞き間違え…だよね?」
訳がわからない。
何もかもがいきなりすぎて、戸惑うことしかできない。
兄ちゃんとは違う、もっと大人みたいな香りが俺を包み込む。
そこはすごく安心して、居心地がよくて。
それでも何か違うような気がする。
「李堵は李桜じゃなくてアイツを選んだ。俺は…李桜以外選ばないよ?」
胸に突き刺さる。
そーだよな。俺、フラれたんだもん。
改めて見つめた現実は俺には冷たすぎた。
「李桜には俺がいるよ。大丈夫。一人になんてさせない」
暖かくて、眩しい。
俺、ここにいてもいいのかな…。
その後は、秀兄ちゃんと俺は何も言わなかった。
その間もずっと秀兄ちゃんは俺のことを抱き締めてくれていた。
拭いきれない違和感に怯えながら、俺は抱き締められることしかできなかった。