兄弟的同性愛事情



「兄ちゃんっ、手、痛いっ…!!!」


無理矢理振りほどくと、兄ちゃんは俺を壁に追い詰めた。


両足の間に足を入れられて、動きがとれなくなった。


「李桜」


「っ…!!!?////」


耳元に兄ちゃんの吐息がかかって、俺は体の熱が一気に上がった。


な、なに…この状況…。


兄ちゃん、どーゆうつもり…?


心臓がヤバイくらい鳴って、顔は真っ赤。


わけがわからないこの状況に、頭はパニック状態。


「なんなの、あの女の子」


「…はぁ?」


あの女の子…?


女の子?


誰のこと?





「もしかして、もも?」


兄ちゃんの眉がピクリと動く。


あ、やっぱり。


まぁ、女の子といえば、ももしかいないし。


…で、


「ももがなに?」


俺が首を傾げると、兄ちゃんは悲しそうに俺を見た。


「仲良いんだな」


まぁ、隣の席だし?


仲良いってゆーか、話すだけなんだけど。


兄ちゃん、何が言いたいの?


俺にはさっぱりわからない。


兄ちゃん、と声をかけようとすると


先に兄ちゃんが声を出した。


「なんか、ムカつく」


…は?


その時の兄ちゃんの顔は


どこか悲しそうで、辛そうで、苦しそうだった。



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