兄弟的同性愛事情
「ひっどい顔!どーしたの?」
「…もも」
「なに、私じゃ不満なの?」
なんで朝からそんなに元気なんだよ…。
うざいくらい眩しい太陽くらい眩しく、ももは笑ってくる。
どーしたの?とか、知らないやつから朝から聞かれ続けて困ってたけど
ももが来ると全員退いた。
ももといれば、なんかスゲー楽なのかも。
「李桜、あんまん食べる?」
「ん。」
返事をすると、半分にされたあんまんが渡された。
まだ湯気が立っている。
「お腹が空いてるから、そんな顔になるの!」
食べろ!と半ば無理矢理渡された。
なんでこのタイミングであんまんなのかサッパリわからないけど
しつこく聞いてこられるより全然いい。
気が紛れるくらい、ももは楽しそうに俺に話をしながら
幸せそうにあんまんをほうばった。
俺も一口、あんまんをかじる。
暖かくて甘くて
俺を落ち着かせていく。
「ありがと…」
呟いた俺に、ももは
「お礼なら、あんまんに言いなさい!」
とか、訳のわからないこと言い出すから
俺は声を出して笑った。
…このとき、廊下がいつも以上に騒がしかった理由。
その騒ぎの原因が俺達を静に見ていたのを、俺達は気づかなかった。