兄弟的同性愛事情

変わらない。


…薄々、とゆーか


秀都の言う通り。


最初からなんとなく分かっていた。


この気持ちが消えるわけないことぐらい…。


それでも、俺が華恋の提案にのったのは


逃げ場を確保しておきたかったから。


もし仮に、李桜にキスをしたとしても


俺には彼女がいる。恋愛感情なんて、李桜に持ってるわけないだろ。


って、逃げたかったんだ。


…ホント最低だけど。


そーでもしないと、李桜は俺から離れていく。


「面倒だろ、こんな関係」


秀都がこんなこと言うなんて、俺達は驚いてポカンとした。


「…李桜が可哀想だ…」


ボソッと秀都が呟いた言葉を聞き取ることができなくて、俺は首を傾げる。


華恋はうつむいたまま、ただ黙っている。


表情が全く見えないけど、たぶん考えてるんだと思う。


…答えなんて出てるのに。


「華恋、別れよう」


申し訳ないとか、コイツのことだからいらないことまで考えてる。


そのくらい分かる。


「…ごめんね、李堵」


「ありがとな、華恋」



こうして、曖昧に始まって１年も続いたこの関係は


静に終わった。