兄弟的同性愛事情



華恋と別れたら、なんか…心が軽くなった。


スッキリしたというか…。


華恋もそんな感じだと思う。


「李堵はいーよねー…。両思いじゃん…」


って、コイツは何言ってんだ?!


「李桜は確かに俺のこと好きだと思うけど…兄貴としてだろ」


男だぞ?


俺と華恋とはちがう。


男と男。


兄弟。家族。


この条件のヤツに告白されたら、普通どう思う?


有り得ないだろ…。


「華恋は男と女だからいいじゃん。まともで」


まとも。


その言葉に、自分で言っといて胸が苦しくなる。


李桜にもし、この気持ちを伝えたら…


冗談と受け取られるか


もう2度ともとのような関係には戻れない。


今のままが幸せ。


そう、俺も思う。


…なのに


なんで俺、現状に満足できないんだよ…。


もっと李桜に触れたくて…


「早くしないと、あの女の子に取られちゃうよ?」


『あの女の子』と言われて、思わず過剰に反応した。


李桜の隣にずっといる、ももという女の子。


今日の朝、教室に行ったときも


教室移動するときも


昼休みも


掃除のときも


李桜の隣には、あの女の子がいて


李桜と楽しそうに笑っている。


「李堵、顔」


秀都が苦笑いしながら自分の頬をトントンと叩いた。


嫉妬でスゲー顔になってるのか…。


俺が二人を見る顔は、たぶんずっとこんな顔だっただろう。




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