兄弟的同性愛事情
学校の傘立ては、玄関を入ってすぐのところに学年別で置いてある。
とりあえず、兄ちゃんの傘を探そうと思ったんだけど…
傘立ては傘でいっぱいで。
たった1本の傘をこの中から探し出すのは、とても無理だろう。
「帰りには雨は止んでるって天気予報が言ってたから、探すのはまた後でよくない?」
絶対時間の無駄になる。
「んー…そーだな!」
1年の傘立てに傘を突っ込んで、俺達はそれぞれの教室に向かった。
7時間目の体育の授業は、大雨のため体育館で自由に体を動かした。
…雨、止むどころか酷くなってんだけど…。
天気予報の嘘つき。
帰り、ずぶ濡れになるじゃんか!
最悪…。
「李桜、傘忘れたの?」
外ばかり気にする俺を見て、ももは不思議そうに首を傾げた。
朝から降ってたのに、忘れるわけねーだろ!
ももの相変わらずの天然っぷりに心の中でツッコミを入れる。
「兄ちゃんと傘1本で来たんだよ」
それを聞いたももは大騒ぎ。
「相合い傘ぁ!!!?!きゃぁ!!素敵っ」
…最近知ったこと。
ももは、腐女子だということ。
BLというジャンルの物がとても好きらしくて、俺と兄ちゃんはたまらないらしい。
サッパリ理解できないけど。