兄弟的同性愛事情
病み上がりって、学校行きたくないんだよね。
毎年この時期に風邪ひくんだけど、毎年病み上がりには同じ目にあうんだ。
憂鬱に思いながら、俺は教室のドアを開けた。
「李桜君っ、風邪は大丈夫ぅ?」
「私のノート写す~?」
毎年毎年、なんで同じことばかり起こるんだろ?
名前も知らない女の子から親しげに呼ばれたり、触られたり。
「俺の写すかっ!?」
クラスの男子に取り囲まれたり。
…コイツ、目がなんか怖い。
適当に答えていると、あんまんを食べながらももが登校してきた。
ホッと安心した俺の反応には、誰も気づいていない。
「おはよっ、李桜。まったく…どんだけ体弱いの?男の子なのに」
「もう治ったってば!」
弱くて悪かったな!!
不機嫌になる俺を笑って、ももは最後の一口を美味しそうに頬ばった。
ホント、好きだよなー…あんまん。
不味くはないし、寧ろ好きだけど
こうも頻繁に食べたくない。
ももがいると、やっぱり女の子は離れていった。
それをももは気にする様子はないけど…
なんか、気になるんだ。
こんなにいい奴なのに、なんで女の子からあんな目で見られてるんだ…?
「早く写しなよ?」
「あ、うん」
全然掴めないももの気持ちに、俺はとても不安になった。