兄弟的同性愛事情
「李桜ッ、大丈夫か?!」
突然開いたドアから入ってきたのは、息を切らせた兄ちゃんだった。
心配そうに覗き込まれるけど…
さっきのことで、ドキドキした自分の感情が後ろめたくて、俺は兄ちゃんから目をそらした。
まだ赤いのかな、顔…。
ビックリしてドキドキしただけ。
そうに決まってるけど…
まさか、自分がこんな簡単に他人にときめくなんて思っていなかったんだ。
「…そこの男の子は?」
「ら、ライト。ここまで運んでくれたんだ」
ライトの名前を呼ぶだけで動揺してる。
どうしても、さっきのことが頭から離れないんだ。
…だってライト、あの時…
「帰ろ、李桜」
フワッと体を持ち上げられて、俺は兄ちゃんに抱き上げられた。
床に下ろされると、兄ちゃんは膝を曲げて俺に背中を向けた。
飛び乗れの合図。
まだクラクラする俺は、兄ちゃんの行為に甘えておんぶしてもらった。
保健室から出るとき、ライトに小さく手を振って俺は兄ちゃんの背中に揺られて家へ帰った。