兄弟的同性愛事情
「ん、あってる」
兄ちゃんと勉強を始めて二時間が経過した。
応用問題も兄ちゃんが教えてくれたおかげで無事に解き終わり、俺はホッと一息ついた。
1回覚えればもう大丈夫だから、とりあえず数学は問題ないだろう。
兄ちゃんと一緒に勉強って、絶対なんかされると思ったけど
何をされる訳でもなく。
俺の考えすぎだってことがわかっただけだった。
兄ちゃんも残りの問題を解いている。
その真剣な眼差しに心臓が騒ぎ出す。
兄ちゃん、勉強してるときってこんな顔になるんだ…。
長めの睫毛と、吸い込まれそうな瞳。
少し茶色い髪は普通より長くて、垂れてくる度に耳にかけ直す。
長くて白い指とか、綺麗な髪とか
静かだから、兄ちゃんの呼吸まで微かに聞こえる。
妙に兄ちゃんの存在を意識してしまって、俺は落ち着かなくなった。
シャッと赤ボールペンが円を描いて兄ちゃんの手が止まった。
「…そんなに見つめられるから、問題解くのが遅くなっちゃっただろ」
少し笑いながら、兄ちゃんが俺を見た。
その瞳はいつもの優しい兄ちゃんの瞳。
俺の視線になんて気づいてないと思ったのに…///
ずっと気づかれていたことがひたすら恥ずかしい。
「さて、…頑張ったご褒美あげるよ、李桜」
おいで。と、兄ちゃんが椅子に座っている自分の足の上をポンポンっと叩いた。
素直に従って、俺は兄ちゃんの膝の上にぴょんっと乗った。
ギッと椅子が音をたてて揺れる。
兄ちゃんは俺を後ろから抱き締めて、背中に鼻を擦り付けた。
それがくすぐったくて、俺は犬に擦り寄られてる気分になった。
「ご褒美って、これ?」
「ううん、これだけじゃないよ」