兄弟的同性愛事情



ヤバイ…


頭がクラクラする…。


なんか、変だ。


服の中が汚れていくのがわかって、


「ぃやだ…離してッ」


俺は兄ちゃんから無理矢理離れた。


そのまま床に座り込んで、身体を丸くしてうずくまった。


まるでダンゴムシのように。


足を閉じて座ると、熱を持った下腹部を妙に意識してしまう。


触られてないのに…


この状況に戸惑うことしかできない。


「李桜…?」


ビクッ


丸くした身体をさらに小さくして、自分を守るようにする。


そんな俺の身体を、兄ちゃんはフワリと抱き締めた。


羽毛布団みないな感じ。


ホントに優しく触れてきた。


「…ごめん。怖かったよな?」


兄ちゃんが怖いんじゃない。


感じたことがない感覚と


頭がおかしくなるような感じが


なぜかとても怖かった。


「っ…」


兄ちゃんと向き合う形に座り直して、自分から抱きついた。


兄ちゃんの服で涙を拭きながら、ゆっくりと落ち着きを取り戻していった。


「…いいよ。許してあげる」


上から目線の俺の言葉に、兄ちゃんは半分笑いながら「ありがとう」と言った。


たぶん、兄ちゃんももうしてこないだろう。


謝ってくれたし。


「今度からは、前もって言うから」


……ん?


今度からは…


前もって言う?…な、に、を。


待ってよ、…え?


不安そうに見つめた俺を、兄ちゃんは優しく撫でて


「ゆっくり慣れていこうな?♪」


と笑った。


…嘘だろ…?


(俺、これから大丈夫なのか…?)


先のことが不安でしょうがなくなった。







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