兄弟的同性愛事情
……ってことがあって
華恋が家にいることはわかる。
けど
なんでキスなんかされてるんだ?!
「華恋っ!!」
さすがに突き飛ばさなかったけど、けっこう強く押し退けた。
怒鳴るような言い方もした。
華恋はポカンとした顔で俺を見る。
「…ごめん」
肩をつかんでいた手を退かそうとすると、そのまま右手を捕まれて…
俺の手を自分の胸に押し当てた。
ブレザーの上からだけど、華恋を女だと意識させるものをもろに触らせられて流石に同様する。
振り払おうとしても、両手で掴まれていて簡単には取れない。
「なにやってんだよ?!」
無表情に俺を見つめてくる華恋の瞳は、人形のようになんの感情も見えない。
ただただまっすぐ、俺を見つめてくる。
右手の下。左胸の奥の方で、華恋の心臓が動いているのがわかる。
それは、いたって正常に機能していた。
俺の心臓は激しく動く。
べつに興奮してる訳じゃない。
『李桜に見られたらどうしよう』
ただそれだけ考えて、不安に心臓は動き続ける。
「ごめん?なんで謝るの?あのときも、今も…謝れば何してもいいの?」
…あのとき…?
「李堵は勝手すぎるよ…。散々利用したくせに、終わりはごめんだけ?」
坦々と話していく華恋の言葉を、俺はなんとか理解しようと頭を働かせる。
「…私に対して、悪いことしたなぁって思ったことある?」
シュルッ…と、華恋の胸のリボンがほどかれた。