兄弟的同性愛事情
暗くなっていく部屋に街灯の灯りがぼんやりと入ってきて、ちょうど俺たちの顔を照らす。
俺の下にいる華恋は、誘ってるって言うより挑戦してきてるというか…
なんか、決闘始めるみたいな顔をしている。
その顔に思わず笑った。
まるで子供だ。
「なに笑ってるの?」
それでもまだ強気で言ってくるところが華恋らしい。
ぐいっとネクタイを引っ張って、俺との顔の距離を近づけた。
触れそうで触れないくらいの隙間に、二人の息が落ちる。
「焦らなくても襲ってやるよ」
馬鹿にしたように華恋に微笑んで、俺はネクタイを取った。
そのままネクタイを右手に持って、左手で華恋の頭の上に華恋の手を押し付けて
両手をネクタイで縛った。
縛った腕は俺の首にかける。
これで華恋は俺に抵抗なんてできなくなった。
「ちょっ…」
さすがにこれには驚いたようで、華恋が慌てたように声をあげる。
それを無視して、今度は華恋のブラウスに手をかけてボタンを1つずつ外していく。
全て外すと、薄いピンク色のブラが目の前に見えた。
「いやぁっ!!!!」
叫んだ華恋の声と身体は、小さく震えていた。
「華恋」
ビクリと身体が跳ねる。
俺を睨むように見つめる華恋の瞳には、涙が溜まっていた。
…ホント、強い女。
「そんな顔するなよ。…ごめん、いじめすぎた」
首にかけた華恋の腕をとって、ネクタイもほどいてあげた。
胸の前にはクッションを押し付けて、中が見えないようにしてあげる。
「最初から本気になんてしてないよ、アホ」
デコピンをして、いつも慰めるときにやるように優しく頭を撫でた。
パタ、パタ
畳に雫が落ちていく。
クッションを抱き締める華恋の肩は震えていて
小さな女の子みたいだった。
これはホントにやり過ぎた。
あの華恋が泣いた。
普段ならからかってやるけど、今そんなことはできない。
「ごめん、華恋」
抱き締めて、あやすように背中を一定のテンポで撫でる。
「ふぇっ……っ、子供扱い、しないでよぉっ」
「うん」
「うわぁあん…!!」
声をあげて泣く華恋は
すがるように俺の服を強く掴んできた。