兄弟的同性愛事情
*喧嘩
「いきなりごめん…」
「私はかまわないよ?部屋も空いてるし。」
そう言って、ももは優しく微笑んでくれた。
見たくないものを見てしまって家に帰れなくなった俺を、ももは何も言わずに泊めてくれると言ってくれた。
白くて大きな家は、ドラマで見たことがあるような家と同じだった。
庭も大きくて、入り口なんて自動で開く門。
制服ではなく、ふんわりとしたワンピースを着ているももは、本物のお嬢様だと思わせた。
本物のお嬢様なんだけどさ。
荷物はメイドさんが持ってくれて、俺の家では玄関で脱ぐはずの靴を履いたまま天井が高い廊下を進んでいく。
しばらくすると、大きな扉の前でももとメイドさんが止まった。
「ここが李桜の部屋ね。私の部屋は隣だから、何かあったら来て」
メイドさんが開けた扉の先には、ありえないくらい広い部屋に驚いた。
家具は一通り揃っていて、ベットもある。
とても空き部屋とは思えない。
部屋の窓の向こうにはプールがあった。
「夕食、運ばせるから待っててね。私も一緒でかわまない?」
「うん」
自分の家よりはるかに大きい部屋に普段の俺ならそわそわして落ち着きがなくなるだろうけど
今はそこまで気にしていられる余裕なんてなかった。