兄弟的同性愛事情
「勘違いだよ」
「…なにがだよ?」
あの状況を見せておいて、なにが勘違いなんだよ?
怒鳴って、部屋から追い出すこともできた。
けど、
1日触れていなかっただけなのに、兄ちゃんに触れるのがすごく久しぶりな気がして離れたくない。
それなのに、抱き締め返したら負けな気がして抱き締め返せない。
こーゆうところで素直になれない自分がバカみたいで嫌いだ。
「…許してもらえてないみたいだね。言い訳するようで嫌だけど、誤解をときたいから言わせて?昨日はホントに何もなかったんだ」
「押し倒してたのに何もなかった?!そんなの…信じられるわけない!!」
やっぱり、兄ちゃんは嘘つきだ。
そんなすぐにバレるような嘘をついてまで、また俺を騙すつもり?
男と女があの状況になったのに、何もないほうがおかしい。
兄ちゃんは俺から視線をそらして、目をふせた。
それから、重い口調で
「あのさ、…華恋、失恋したんだ」
と言った。
「は…?」
失恋…?
突然そんなことを言われるから、俺は驚いてポカンと口を開けた。
華恋が好きなのは兄ちゃんのはず。
俺はずっとそう思っていた。
もしかして
別に好きな人がいて、告白してフラれた…ってこと?
俺は最初からとんでもない勘違いをしてたのか…。
…いや、だとしても
「それと…あの状況と、どう関係あるの?」
「それは…」
兄ちゃんは昨日のことを詳しく話始めた。