兄弟的同性愛事情
*君の過去



火曜日。


あの体調の悪さは嘘のようになくなって、俺はこの広い部屋の中をスキップして5週くらいできそう。


それくらい、身体が軽くなっていた。


精神的なものだったんなだな…。


(俺、どんだけメンタル弱いの…)


呆れてため息が出る。


ハンガーに掛けられた制服を取って、服を着替える。


なんとなく、部屋をぐるっと見回した。


今日家に帰ると兄ちゃんと昨日約束した。


寝心地の良いベットとも今日でお別れ。


なんか寂しいな…。


いつでも来てくれてかまわないよ!ってももは言ってくれたけど


このベットが恋しくて毎日帰ってきてしまう気がするから、また喧嘩とかしたときに避難所として来るようにしよう。


ベットを綺麗に整えてから鞄を持ち、


「お世話になりましたっ」


ペコリと部屋に一礼して部屋から出ようとすると


すぐ後ろ。


ドアの所に、ももがポカンとした顔で俺を見ていた。


「何やってるの…?」


その目は、まるで変人を見るような目だった。


いやっ、やめろよその目!!!


俺が変な人みたいじゃん!!


「えっと、これは…部屋にお礼を言ってただけで…!」


なんで言い訳?言ってるみたいにならなくちゃいけないんだよっ!!


しどろもどろになった俺を見て、ももは吹き出した。


「部屋にお礼って…変なのっ」


思いっきり笑うももは、終いには涙が出始めていた。


そんなももを後から来た優斗さんは目を丸くして見ていた。


その顔に俺も吹き出して、朝から笑い疲れるくらい笑った。




< 84 / 126 >

この作品をシェア

pagetop