兄弟的同性愛事情
その日は起きれるようになってから、林檎さんが迎えに来てくれた。
同じ顔が同時にあってかなり戸惑ったのを覚えている。
後で、林檎さんとこの女の人が双子だということを教えてもらうまで、私の頭の中は少し混乱していた。
「ごめんね、百那…」
林檎さんは私を責めなかった。
泣きながら謝る林檎さんに
「…ごめんなさぃ」
私も泣きながら謝った。
◇◆◇
「それからしばらくしたら、女の人…今のお母様が私を養子として引き取ってくれたの。なんかごめん、これだけでもだいぶ衝撃的だよね」
俺の顔色を伺うようにするももに、俺は笑った。
「確かに衝撃的だけど、…俺も協会のシスターに育ててもらったし」
かなり大袈裟に驚いたようにするから、また笑ってしまった。
こういうことって、色眼鏡で見られがちだからなかなか言える事ではない。
可哀想。
その一言を言われることが何より悲しいんだ。
だから、ももが俺に話すのだってかなりの勇気が必要だったと思う。
項垂れた小さな背中は、俺よりもずっと頼りなくて
その小さな体に詰め込んだ沢山の気持ちは、いったい何人の人が今まで理解してくれたんだろう…。
「…まだ続きがあるんだよな?」
コクリと小さく頷いて、目を擦りながらももは話始めた。