兄弟的同性愛事情




「おはよ、李桜」


「ぉ、おはよ!兄ちゃん」


挙動不審すぎて笑える。


昨日、なんかいっきに大人への階段を駆け上がった気がする…。


てゆーか


(昨日の今日で、普通に接するなんてできるわけないだろ!?!)


俺だけなの?!なんで兄ちゃんは普通なの?!?


ヤった側とヤられた側だと、なんか心境違ったりするのか?


朝ごはんのトーストをかじりながらチラリと兄ちゃんを見る。


暑くなってきて気崩した制服から見える鎖骨が綺麗。


…って、俺はどこ見てるんだよ!!


ダメだ。完全に兄ちゃんの変態が移ってる!


落ち着け、俺!!


「李桜」


「ふぇ?!」


「ヨーグルト、残り一口食べて。俺お腹いっぱいで食べられないから」


あーん。と差し出されたスプーンをパクリと口の中に入れる。


…それだけ。


それだけだよ。こんなこと、よくあるだろ?


なのに…


「が、がっこ、行こ!!」


「ちょ、李桜!待てって!食器片付けろ!!」


呼び止める兄ちゃんの声を無視して、俺は玄関から飛び出してドアに背中をつけた。


そのまま座り込んで、深くため息をつく。


「…なにやってるの、俺///」


とうぶん、兄ちゃんとまともに接することはできなそうです…。





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