俺がお前を奪ってやる
俺が決めたもの
よくいるよな、俺様かざしてる勘違い男がさ。
そういう奴に限って、俺様じゃなくて単に横暴なんだ。
ちょっと顔がいいだけの 俺様野郎に間違って惚れちまう女も多いよな。
何がいいんだか、さっぱりだ。
調子こいた奴は女を飾りにして、つけあがって気持ちがないんだよ。
それに気づいた女は別れたいと思っても、奴は離さないんだ…
ちんけなプライドなんか振り回してさ、つまんねぇ男だよ。
俺はどうなんだって?
そうだな、その辺の俺様野郎より、ずっといい俺様だな。
七瀬 偉月、17歳。
トマトジュースにオレンジを入れて飲むのが好きだ。
今、彼女はいないが気になる子がいる。
俺たち2年生の間でちょっとした有名なカップルがいる。
男は 華村、元々ヤンキーだった奴で、女は 湯瀬 伊吹、当然 可愛いと誰もが噂する156センチの小柄な子で、意外に派手でもなく大人しめな感じだ。
この二人が付き合い出したのは1ヶ月前のこと。
噂になれば気にはなる。
可愛いと俺も思ってた。
だが 湯瀬が選んだ男は華村だった。
ハッキリ言って、釣り合ってないんだ。
なぜなら湯瀬の顔が作り笑顔だからだ。
それに気づいたのは、偶然だった。
まぁ、単に俺のカンとも言うが。