俺がお前を奪ってやる
学校帰り、ぶらっとゲーセンの前に来て偶然にも華村と湯瀬がいた。
足を止めて何となく見ていると、湯瀬が華村から離れようとしているが、華村が湯瀬の腕を掴んで離さない。
何やってんだ、アイツら……
湯瀬、嫌がってんじゃん
「 もう、離して!こういうのが嫌なのっ ほんとヤダ!」
なに、ケンカ?
「 お前は俺のそばにいなきゃ意味ねぇだろうがっ 」
は?なに、言ってんだ?お前といる意味がそもそもないんだよ、ボケ!
「 った… 痛いよ、離して!」
華村の奴…
「 来いって!」
「 やっ! …きゃ 」
あっ!! あん、の野郎っ
腕を強引に引っ張った反動で、湯瀬が前のめりにつまずいて転んだ。
俺は…俺の中で何かが、ブチッとキレた。堪忍袋の緒がってやつだ。
「 テメェ… 華村ぁーっ!!」
バスケバカな俺は一応ダンクも決める奴だから軽く拳をボールに見立てて、華村にダンクをかました。
周りにいた人だかりが俺たちに集中するが、ケンカだとわかれば見るだけ見て通りすぎる。