俺がお前を奪ってやる
「 湯瀬、俺と来いっ!」
「 えっ… 七瀬く… 」
俺は湯瀬の鞄と手を取って走った。
湯瀬を気にしながら、走った。
どこか隠れるとこは…
どこに… あ、いやでも… ま、いっか。
走ること10分…
湯瀬の事を考え、近くにあったスーパーのところにある証明写真機に入った。
入ってから、あ、しまった… と気づいた。スーパーに入れば良かったものの、隠れようと頭にあったせいで、こんなところに入ってしまった。
「 ぷ…… 」
えっ?なに?
「 湯瀬? どうした?」
「 だって… まさかの場所に隠れるから、おかしい」
「 俺も、しまった!とは思った 」
笑らいすぎ… けど、湯瀬が笑ってる。
俺いい奴じゃん!
「 ありがと、七瀬くん。ほんとに… 嬉しかった。」
湯瀬のはにかむ顔が たまらなかった。
俺は完全な俺様じゃないけど、湯瀬が好きだから… 助けるんじゃなくて奪いたくなった。
華村なんかに、湯瀬はもったいない。
俺はこの笑顔が好きだ。
俺は1つしかない丸椅子に湯瀬を座らせてから、自販機でミルクティを二人分買ってカーテン内に入った。
湯瀬のミルクティのプルトップを開けてやってから飲んで、本当に一息ついた。