大人になりたい

ふと先生が真面目な顔を見せる。

「慶太?」

「夏希…………」

「ん?」

「卒業するまで………………俺は………」

「………?」

「抱くのは我慢する」

は?
何言って………………
そんな恥ずかしいことスラっと言えますね………………

「これは…………一応約束。まぁ、守れないかもしれないけど…な………」

「……………」

「…何か言えよ」

言えるわけないじゃない!!
なんでですか?とか?
抱いてほしくない!とか?
抱いてほしい!とか?
無理無理むりー!

「…キスはいいんですか?」

私の口から出たのはそんな言葉だった。

「…うん…ワガママかな……」

「いえ!ワガママなんかじゃありません!キスしたいです!」

「プッ…………お前声でかいから」

わ、笑われた…………

「俺も。よし、キスするか。」

そう言うと手を肩に乗せて
深い深いキスをした。

「んっ…………んっん…………」

「夏希…………」

「…ん?」

「声エロくね?」


なっ、何を言い出すかと思ったら…………

「ば、バカーーーーー!」

「可愛いなー」

………あぁ…………
私はこの人にずっと支配される運命なんだ………
私はこの時そう思った。
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