大人になりたい
職員室に行ってみると先生達も文化祭の準備で忙しそうで、私の姿など誰も目に映らないようだった。

えーっと……先生どこにいるんだ?
先生の机にはいないし………
すると後ろから先生の声がした。

「いやぁ、それは難しいですねぇ」

「えぇぇえー?櫻田先生ぇ、お願いしますよぉ♥」

誰かと話してるのかな…

後ろを向くと給湯室に先生と…………
生物の教師の町田加奈子先生がいた。
町田先生は自称25歳の女教師。
まぁ、間違いなく25歳ではない。笑

おそらく30前半…
そして独身。
おまけにイケメン好きの噂がたたない。
先輩のなかには言い寄られた人もいるらしいし……………

とにかくあまり良いイメージがないことは確かなんだよね。

先生たちは私に気づかないのか話を続けている。

「櫻田先生ぇー、お願い♥私のためだと思って?相手は生徒よ?やめておいた方が身のためよ…?」

な、なんの話?
まさか…………
私とのことバレた?

そんな時、慶太が私に気づいて

「町田先生、この話は後で…」

と言って私の所に来た。

なに?
何話してたの?なんでちょっと焦ってんの?

「瀬川!来るの早かったな!」

「………至急って言ったの誰ですか…」

「わりぃわりぃ!」

「…で、文化祭のことって何ですか?」

「…瀬川?機嫌悪い…?」

悪くないもん。

「いえ…………」

いや、悪いか………町田先生と秘密の話しないでよ。よりによってなんであの先生なのよ………
あーもう!

「だ、大丈夫か?」

「…………大丈夫です。早く要件を。」

「………いや、ちょっと文化祭役員が足りてなくて………生徒会と一緒に活動してくれないかと…思ったんだけど…」

「生徒会と?!む、無理です!」

「言うと思った笑 でも聞け?生徒会の顧問誰だか知ってるか?」

「知りませんよ、そんなこと…」

「4人いるんだけど、俺もなんだよなー。」

え、初耳…………。
< 26 / 39 >

この作品をシェア

pagetop