大人になりたい
すごい時間をかけてシャワーを浴びちゃった。
慶太心配してるかな……?
丁寧に着替えが置いてある。
その服たちに着替えて慶太のいるリビングに足を運ぶ。
「……大丈夫か?」
慶太が私の顔を覗き込んでくる。
黙ってる私を慶太は引き寄せた。
「…………っ、大丈夫なわけねぇよな。…………ごめん。本当に…………」
「慶太は…………悪くないよ……私が遅くまでいたのが悪ぃ………………」
涙が頬を伝う。
「会議終わったら中澤先生から教室に瀬川が残ってたって聞いて…………帰したって言ってたから急いで校門でたんだ……」
……慶太の顔が悲しそうにうつむく。
「っ、な、なんで……私を見つけられたの?」
「……校門のところに夏希のキーホルダーが落ちてたんだよ。」
え?
慶太に差し出されたのは
私がバックにつけていたハートのキーホルダー。
「ぉ、落ちてたんだ…………」
「落としてくれて助かった。…………辺り見渡したら明らかに怪しい車が止まってて…………」
私の涙は止まることを知らない。
「…………そしたら……お前の声が聞こえて…………」
「ぅ、っ、ありがとぉ…………助けてくれて……ありがとぉ。」
「……俺がもっとちゃんとしとけば…………お前をもっと明るいうちに帰しておけば…………」
お願い…………。
慶太は悪くないの。
責めないで?
あなたは私を守ってくれたんだよ?
「…………大丈夫…………私は大丈夫。」
頑張って笑顔をつくってみる。
そんな私を見つめて慶太は顔をゆがませる。
「……どこ触られた?」
「ぅっ、う、腕と…………太も……と…………む、むね……」
正直に答えると
慶太がさらに私を強く抱きしめた。