虹恋
しばらくして

雨がだんだん小雨になってきた

私はその様子をうかがった

するとそこには大きな七色の橋が

かかっていた

「平祐っ!見て、虹だよ!」

隣の平祐にそう言った

「うわぁ、綺麗だな。何年ぶり
だろう…」

平祐はそうつぶやいた

「何が何年ぶりなの?」

私が聞くと

「いや、こうやって2人で虹見たのは
何年ぶりなのかなぁって思ってさ」

と返ってきた

あぁ…そー言えば何年ぶりだろうか

確か一回だけ

こんぐらいの大きな虹を

平祐と近所の公園で見たような…

あれから大分時が流れた

私より小さかった平祐は

今じゃ私より身長が高くなって

体つきもたくましくなっている

平祐も大人になったな…

そんな事を考えていた

すらふと隣から

「なぁ、杏奈」

平祐の声がした



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