欲しいものはひとつだけ
今日は、クリスマス。



カップルや友人同士が幸せそうに通り過ぎて行く。ケーキの箱を抱えたお父さんが家路を急ぐ。



そんな光景ばかりが目についた。普段はそんなこと、気にかけることもないのに、今夜がそういう日だから、だ。



地元の駅に降り立つと、いちばん近いコンビニに寄った。



自分へのご褒美に、ティラミスとコーヒーゼリーを買った。スイーツをふたつ買ったのは、ひとりぼっちだと思われたくないから…ではない。コーヒーゼリーは無意識に、手に取ってしまっていた。



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