クリスマスの約束
急にそんなことを言い出し、今にもスキップしだしそうな勢いでわたしの手を引く奈津。
「今年のクリスマスは最高になるといいね!」
奈津は中学のときから仲がよかったから、俊のことを知っている。
高校でも今でもずっと一途に俊のこと思い続けているわたしのことを、ずっと心配してくれていた。
だから今回のイタリア移籍は、奈津も嬉しく思ってくれたんだろう。
「奈津、ありがと!だーいすきっ!」
クリスマス会えるのかな…。
大事なひとって、わたしだと思っていい?
勘違いも甚だしい?
それでも、そう思ってしまう。
だってインターネットから仕入れられる情報で、俊に浮ついた話がでてきたことはなかった。
さっきの発言だけで、そうとう騒がれるはずだ。
今夜家に帰ったら、クリスマスツリーの近くにある靴下にさっそく手紙をいれよう。
俊に会いたい。
どうか届けてくれますように…