クリスマスの約束
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」
クリスマスイヴ。今日の店内は、常連さんに加え、予約していたお客様や通りかかって入ってきたお客様。と、いつになく盛り上がっていた。
「藤堂。これ2番テーブルね。」
「はい!」
「あ、藤堂。ついでに3番の片付けよろしく。」
「はい!」
こんなに忙しいのは異例だ。
なんでこんなに忙しいのに、従業員がこんなに少ないんだ。
恋人がいるやつは、聖なるクリスマスを送りたまえ。なんて言った店長を地獄のそこへ突き落としてやりたいよ。
「ふぅー。まじ疲れた。」
あまりの忙しさに店長もお手上げ状態になり、2号店のバイトの子手伝いにきてくれたことで少し、店内が落ち着いてきた。
ということで、やっとお昼ご飯。
「だいぶ、疲れてるねー。」
右手でグーをつくって左の肩を叩いていると、頭上から奈津の声がした。
「あたしも休憩もらっちゃった!やっぱご飯は一人より二人で食べた方がおいしいしね。」