クリスマスの約束


「ところで、何か連絡とかきたの?」


カルボナーラをフォークに巻きつけながら、奈津が聞いてきた。

連絡とは俊のことだろう。


「こないよ。くるわけないじゃん。連絡先なんてお互い知らないんだもん。」

「…ま、そうだけどさ。未亜は引っ越してないんだから、家わかるし家の電話だってわかるんだよ?」


…そうだ。今言われて初めて思った。携帯での連絡がない=連絡つかない。になってたけど、言われてみればそうだったんだ。

「ま、期待はしてないけどね。」

「…勝負下着は着用してるのに?」

「はっ!?」


なんでそれを!
と言いかけたわたしの胸元を指す奈津。

まさか透けてる?と思ったけどそんなはずはない。黒いエプロンをつけているんだから。


「テーブルふくときとかに見えてた。」

「…も、もっと早くいってよね!」

「クリスマスサービスかと思って。」


そう言って、ぺろっと舌を出した奈津の顔は完全に楽しんでる。

なんだか負けた気分だ。いや、奈津に勝てることなんてないんだけど。


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