クリスマスの約束
Christmas

早く中に入ろう。

看板の電気を消して、ドアノブに手をかけたときだった。


「メリークリスマス。未亜。」


頭上から聞こえた声にびくっと体が反応する。

だってこの声知ってる…あの頃より低くなったけど、未亜って呼ぶ優しい声はまぎれもなくあの人だ。


「…俊っ」

「わ!…あっぶねー。」


振り返るなり、いきなり抱きついたわたしによってよろける俊。

やっと会えた。
ずっと会いたかった。

この匂い。このぬくもり。
あぁ。本当に俊なんだ。


「久しぶりとかなんかないの?もっと驚くとかさ。」


そう言って、わたしのおでこに自分のおでこを重ねてきた。

距離が近くて、今にも心臓が飛び出てきそうなほど緊張する。


「なんか未亜、ちっちゃくなった?」

「なってないし。俊がおっきくなったんでしょ。…てかそっちこそ、久しぶりとかの前にそれ?」


相変わらずだな。と思ったら笑みがこぼれた。

なんだか安心する。


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