クリスマスの約束
ドクドク…ドクドク…
とりあえず店に戻って、着替えを済ませた。こないだ奈津と買った、ピンクのゆるニットに白のスカート。
もともともっていたニーハイブーツを合わせ、さっきまで結んでいた髪も下ろしてきた。
栗色の髪はパーマのおかげで、くるくる健在。
5年前に約束した公園へと向かう道、久しぶりに繋ぐ手から炎が出そう。
「約束…覚えてた?」
公園について、ブランコに腰かけ先に口を開いたのは俊だった。
「忘れたことなんて一度もないよ。まさか、フライングされるとは思わなかったけどね。」
「未亜を驚かせたかったんだ。未亜んち行ったら、バイトだって聞いたからさ。行っちゃった。」
「家きたの?」
つまりそれは、わたしより先にわたしの家族が俊と会ったってことだよね?
なんか妬ける。
「未亜…俺、夢叶えたよ。イタリア移籍決まった。」
「…うん。おめでとう!こうしてまた会えて本当に幸せ。」