クリスマスの約束
「…っい!おい、こら。藤堂!」
「えっ?」
頭上から降ってきた怒声に恐る恐る顔をあげる。
そこには、腕組みをした迫力満点な店長。
あちゃー。わたし、また自分の世界入ってたんだ。
バイト中だったのに、昔のこと思い出しちゃってたよ。
「お前は、いつまでその机ふいてんだ?摩擦で穴でもあけるか?あぁ?」
「え、えへ?わ、わぁ!ピカピカだ♪…すみませんでしたー!」
軽くボケておきながらも怖くなって、結局は逃げ出す始末。
よくやっちゃうんだよね…。
奈津が急に俊の話なんか出すからだよ。
なーんて人のせいにしたらだめだけどさ。
「怒られてやんのー。俊のこと考えてたんでしょ?」
…前言撤回。やっぱ、奈津のせいだ。
ニヒヒと不敵な笑みを浮かべる奈津をギッと睨んで、今置いたばかりの布巾を再び持ちホールへでた。
「すみませーん。」
「はい!ご注文お決まりですか?」