The moment

母は怪訝な顔で私を見つめる。

「住むって…あんた、良太くんから許可もらったの?」

「うん、大丈夫!さっき電話で話してきたから」

ぐっ、とイイネのポーズをして母に向けた。

「…そう。だったらいいけど…。あんた学校どうするの?
良太くんの家は学校から遠いでしょ?」

さらに渋さを極めるその顔を振り払うように
私は、ぱん!と手を叩いた。

「大丈夫だって!遠いって言っても2キロくらいだし!
バスもあるからさ!!」

嫌味を言うような口ぶりで言ったあと、
私は自室がある二回への階段をかけ上がった。


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