The moment

私の名前は貴崎なつの(きさき なつの)。
都内の結構有名な高校の3年生で18歳。
長い髪を高いところでポニーテールにして、
黄色いふわふわのシュシュで結ってる。
楽器はドラムと、ベースを少しだけやってる。

イトコの兄は小浜良太。
ONE OK ROCK通称ワンオクでベースやってる。
私の自慢のイトコってとこかな!
かっこいいし、お茶目で可愛いし、小さい頃から遊んでもらってて、大好きなの!



「なつの、今日いつもよりオシャレしとるやろ」

「え」

「ははっ、図星やろ(笑」


……図星だった。

今日はいつもより気合いを入れてる。
学校帰りだから制服なんだけど、普段よりスカート短くしたり、シュシュをピンクにしてみたり。

ワンオクに会うって思ったら、オシャレせずにはいられなかった。

だってあのワンオクだよ!?

ROCKの次世代を担うバンド。
その迫力と音楽とルックスで、今現在OORerと呼ばれるファンは急増してる。
うちのクラスにもOORerが何人かいるんだけど、
イトコがメンバーだってことは黙ってる。
黙ってないと、大変なことになりかねないからね。


「お、見えてきたで」

「どこどこ!?」

「あの楽器屋の2階や」

そこは私がよく行く楽器だった。
黒を基調とした店内が、何気にお気に入り。
1階にはギターやトランペットなど、色んな楽器が羅列している。

ここでやってたことをもっと早く知ってれば……

なんて考えてても埒があかない。


「良太兄、行こ!」

「おー、もうみんな来てるっぽいから早よ行かなな!」

一気に階段をかけ上がった。
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